“その商品に価値ありますか?”
“品質とは?”
さてこの質問に答えられる人はどのくらいいるのでしょうか?
そもそも答えがあるものでしょうか?
品質や質はあなたの生活に影響を与えます。言い切れます。
それは良いモノを見つけることではなく、
”悪い”コトを見つけることが大切なのです。
・品質とは何か語れるようになります。
・品質的な思考力が身に付きます。
・“生活の質”が向上します。
是非、みなさまもご一緒に考えてみてくださいね。
今回はうさぎくんとねずみちゃんにも登場していただきます。
■品質とは悪さである
結論を言いますと、品質とは“悪さ”です。
正確に言うと、悪いかどうかが判断基準になるということです。
○ 合格 = 良いモノか?
図1をイメージしてみましょう。
みなさまがお金を出して購入する製品は、例えばですが、特性Aと特性Bの検査結果を見て、合格判定を行っているとするならば、間違いなく合格範囲に入っています。
合格範囲に入っているから「合格」、入っていなければ、つまり悪いモノは「不合格」。
このように考えて問題ありません。

それでは、質問です
合格していれば良いモノですか??

良いものだよ

判断が難しいですね

うさぎくん、なぜかな?

購入したものの中には、良いモノと、良いとは言えなかったり、
悪いモノがあるからです。合格品でもクレームはあります。
○ 缶コーヒーの品質とは?
もう少し具体的に考えてみましょう。
例えば缶コーヒーの品質。

シーン毎のおすすめ缶コーヒーも載っているよ
大手飲料メーカーの缶コーヒーには「品質に問題ありません」と記載があります。
ここでいう“品質とは”いったい何でしょう??

美味しい!!

美味しいは人によって違いますね

もう一度、品質とは何か?
大手飲料メーカー数社のお客様相談室に電話をして確認してみました。
すると驚く回答でした。
・(色・味ではなく)身体に影響を与えないこと
・色が変わっても味が変わらないこと
・表記通りであること など
同じ“品質”なのに各社答えや考え方が違うのです。
これって購入する私たちに消費者には伝わっていませんよね。
知っていましたか?
美味しいとは言っていませんね?
もっと数字などで分かりやすい表現がされていると思っていました。
少なくとも私は知りませんでした。
○ 合格とは
みなさんがイメージしていた品質とは異なっていたと思います。
そして私は合格しているものを良いモノとは考えていません。
この合否の話に戻りますが、改めて合格とはいったいどういうことでしょうか。
上の例に挙げたように缶コーヒーの品質とは、つまり各社考え方がバラバラです。
そこで合格の基準を“仮に”設定しましょう。
(“仮に”のように、仮説は品質を追求する上で重要な考え方です。)
缶コーヒーを選ぶ際にみなさん、メーカーや銘柄で選ぶことが多いと思います。
それら一般的な缶コーヒーには「高級豆」「牛乳100%」などの表記があります。
そこでシンプルに特性Aをコーヒー豆の量、特性Bをミルクの量としてみましょう。
ここで何を選んでいただいても、特に大きな問題ではありません。
実際の検査など測定値は、今回のように単純でないことはご承知願います。
(コーヒー豆の量だけではなく、焙煎の方法や時間など要因は複数あります)
例えば測定の結果が、図2になったとします。
合格範囲に入っているものが、商品として出荷されます。
もしかしてギリギリのものを、アウトレットやB級品として、正規品よりも安く手にすることがあるかもしれませんね。
このようなところに、良いモノではなく“悪くない”、という判断があると考えています。
■品質まにあの考える“品質とは”
○ 品質とは何かを考える
“品質とはばらつきである”
品質まにあが全体を通して主張していることは、このばらつきをなくすことです。
ばらつきが悪さの原因だと考えております。
手作業のばらつきを抑えるために機械化が進みました。
マニュアルやルールなど標準化も、人や作り方のばらつきを抑えるためです。
作る側と使う側の思いの差(ばらつき)が少ない方が満足度が高くなります。

気分が乗る時乗らない時もある!

材料とか素材も影響しそうですね
あらゆるところにばらつきが存在します。
そしてこのばらつきを無視すれば、”品質が悪い”につながりますよね。
ばらつきが全くないことはあり得ないのですが、少しでも小さくすることで、
“いつも同じ”状態になる。いつも同じことも、大切な品質です。

品質まにあがインタビュー受けました
インタビュー記事のこちらもご覧ください
○ 用語の意味を知る
用語の側面からも、品質とは何かを考えてみましょう。
用語も認識のずれ、ばらつきを小さくするために必要な、共有するべきコトですね。
それに先人の知恵がつまっております。
クオリティとは?
まずはクオリティ(Quality)を考えてみましょう。
クオリティを辞書で調べたら、きっと大体の辞書が「品質・質」と出てくるでしょう。

では“クオリティ=品質“同じ意味と解釈してよいのでしょうか?

モノの質、コトの質と捉えて良さそうな気はしますが、イコールすなわち同等と判断するには難しいですね

それに結局のところ何を意味しているか分からない
理解しないまま何となく分かったつもりになってしまう。
少し視点を変えてみましょう。
「クオリティ」はどのような使われ方をするのでしょうか?
クオリティこちらは、当然ですがQualityから来ていますよね。
このQualityは様々なところ組み合わせて使われています。
QA QC QM QCD TQM SQM QP などなど
詳しい内容は、別途解説するようにいたします。
品質とは?
こちら実は定義があるんですね。
“JIS”これを聞いたことがある方は多いかと思います。
「品質」とは、
「品物またはサービスが、使用目的を満たしているかどうかを決定するための評価の対象となる固有の性質・性能の全体」
品質ではよく「“全員参加”の品質活動」など言われますが、
難しい言葉を使っていたら実現しないですよね。
定義を見ても結局分かりません。
〇 生活に活かす品質

品質のお仕事は、このばらつきを管理しているの?

数字を使えばばらつきを見えるようにすることも可能ですね

だから私なりに考える“身近にある品質”を例に
・生活に活かす方法
・品質の考え方
・品質的な視点
について説明しますね。
品質まにあが今までの経験から考える “ 品質とは ” “ 品質的な視点とは ”
次の5つの内容になります。

■ばらつきの低減
■未然防止
■顧客満足度
■継続的改善
品質用語は表現が難しいです。
次章で詳しく説明いたしますが、
順番にも意味があると考えております。
■品質的な思考で生活をもっと快適に~5つの視点

5つの考え方の順番を意識すると効果が上がりますよ
□1.ムダをなくすこと
ムダの削減とはなんでしょう。
ビジネスでは「ヒト・モノ・カネ」それに「トキ」。
(品質の現場:トヨタ自動車におけるムダの削減)

お金や時間は分かりやすい!

つまり「節約術」や「時短術」ですね

”ムダな脂肪”と考えたらどうでしょうか?
つまり「ダイエット術」にも応用できますね
モノで言えば、収納術 や 5S( 整理・整頓・清掃・清潔・躾 )などあります。
ヒトで言えば、人員削減など聞きたくない言葉ですが、家事を分担したり、人が関わる部分も多くありますよね。
ムダなものマイナスしていく。そしてゼロを目指す。
”ない”品質について書いた記事もあります。
□2.ばらつきをなくすこと
ばらつきはなるべく小さくしたい。
例えば先ほどの事例、図2~図4どちらの商品を購入したいですか?
商品の数はみな同じです。
みなさまが購入して手にするものは間違いなく「合格品」。
けれど買うなら図4が良いと思いませんか?
図4 これがばらつきが”小さい”状態を言います。
つまりいつ買っても同じモノ。「いつもと同じ」状態です。
品質が安定しているからこそ異常に気づくわけです。
合格品であっても、異常品があることをお分かりでしょうか。
商品のばらつきは分かりやすい!

そして私は人と人の考え方にも、ばらつきがあると考えています。
作る側と使う側も目的がバラバラなら、良いモノは出来ません。
A工場とB工を場で違うマニュアルを使っていたら、違うものが出来ちゃいますよね。

夫婦間なら、スケジュール管理、共有化、見える化でばらつきを減らせます。

親子間なら、言うこと聞かせたり、教育、夢、習い事など、お互いを尊重することも大切ですね。
□3.ミスを防ぐこと
壊す。無くす。忘れる。など、ミスをするのは「人」ですね。
医療ミスについて書いています。
□4.”不”をなくすこと
品質とは誰の為か?
相手に喜んでもらうこと。満足してもらうことなのです。
だから不満・不安・不信・不良など、”不”がない状態を目指す。
そのために必要なことは、現状把握と要因分析、そして対策。
相手の満足のために活動する。
クレーム(悪)を生まないこと。

家族のため。私が大切にしているテーマです。
『”不”の解消』を掲げている企業のご紹介。
□5.繰り返し改善を続けること
継続的に改善すること。
目標を立てる⇒実行⇒反省⇒対策

このサイクルはPDCAですね。

仕組みを作る。仕組みのムダを見つけてまた繰り返す。

難しい・・・

要は、生活の一部にする。習慣にすれば良いということです。
ムダなことを見つけてやめてみるところからです。
■品質とはつまり ~まとめ
お読みいただきありがとうございます。
品質とは”悪”と向き合い、極限まで繰り返し改善する。その結果として良いが生まれる。良いにつながるのです。
最後におことわりしておきますが、この記事は一個人の見解であり、
何かを否定したりするものではなく、品質をもっと身近に感じていただきたいと考えております。品質を考えることが、自分事にして欲しいという願いを込めています。
品質とは何か?
品質的な思考を加えた結論は、『悪さ』なのです。
良いモノを作るのではなく、悪いモノを作らないコト
良いモノを目指すのではなく、悪いコトを無くすコト
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