【APQP】IATF16949コアツールをチェックリスト付で解説

APQPチェックリスト付きで解説 ひんまに勉強術
#IATF16949 #APQP #チェックリスト
ひんまに
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専門書とは違った視点で概要はざっくり解説にします。

最低限必要なことだけを理解した上で、
より実践的な活動が出来るようにまとめています。

IATF16949?コアツール?APQP?と聞いて、

・何から始めたらよいか分からない人
・拒絶反応がある人
・理解のきっかけが欲しい人
・使い方を知りたい人

APQPチェックリストを用意してあります。

チェックシートを使って質問に答えていけば、
IATF16949の準備状況の把握と、規格要求事項の内容が理解できますよ。

概要が不要な方はこちらへどうぞ。
APQPチェックリスト

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■APQP(先行製品品質計画)とは

APQPとは、

Advanced Product Quality Planning and Control Planの略で、

「先行製品品質計画」&コントロールプランのことです。

これはIATF16949(ISO 9001をベースとした自動車産業向け品質マネジメントシステム規格)を構築、運用するために必須なコアツールの一つです。

参考文献
Plexus Japan:IATF16949公式研修機関
https://www.plexus.jp/index.html

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私はこちらで勉強しています。

■APQP(先行製品品質計画)の要求事項

「APQP&CP スタディガイド」は第2版として2008年7月に改訂されました。

Big3社共通の先行製品品質計画・コントロールプランを作成するための指針です。

つまり品質要求事項が書かれています。

※Big3(ビッグスリー)はアメリカの自動車メーカー

ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード(FORD)、クライスラー(CHRYSLER)のこと。

共通のルールとなっている為、Big3と直接取引を行うためにはこの品質要求を満足する必要があります。

IATF 16949の参照マニュアル(AIAG:全米自動車産業協会発行)の中でも特にAPQPは重要で、先行製品品質計画とコントロールプランで構成されています。

先行製品品質計画とは、つまり新製品の企画開発段階から生産までを5のステップに分けて、各ステップでやるべき項目について定められています。またコントロールプランは、部品特性とプロセス特性を管理するシステムを記述した品質計画書です。

したがってAPQPを理解することは、IATF16949の理解に直結しています。

5段階を図にする

■IATF16949とAPQP / CPの関係

APQP及びコントロールプラン(CP)に関するIATF16949の要求事項は、

以下のようになっています。

8.3.2.1 設計・開発の計画—補足 (対訳p.133〜p.135)

8.5.1.1 コントロールプラン (対訳p.179〜p.183)

8.3.5.2 製造工程設計からのアウトプット (対訳p.155〜p.157)

9.1.1.1 製造工程の監視及び測定 (対訳p.229〜p.233)

※( )内のページは参照図書による

参考図書「対訳IATF16949:2016
自動車産業品質マネジメントシステム規格—
自動車産業の生産部品及び関連するサービス部品の組織に対する品質マネジメントシステム要求事項[ポケット版]

うさぎくん
うさぎくん

ポケット版は文庫本サイズなので、
常に持ち歩き、疑問があればすぐに確認できるので便利ですよ。

■APQPの進め方

APQPはひとつの部門だけで進めるのではなく、設計部門、生産技術部門、購買部門、製造部門、品質管理・品質保証部門など製品を生産するのに必要な各部門のメンバーを横断的に網羅したチーム(APQPチーム)を組織し進めます。また、このチームで必要がある場合は、サプライヤや顧客もメンバーに入ります。

IATF16949におけるAPQPは、新製品の開発や既存製品の改良を実現させるための計画で、

以下の5ステップに沿って進めていきます。

1.品質プログラムの計画と定義
2.製品設計と開発
3.プロセス(工程)設計と開発
4.設計と開発(製品・工程)の妥当性の確認
5.量産・評価・是正・継続的な改善

各ステップではインプットとなるデータや文書、情報をもとに、
必要なアウトプットを作成していきます。

必要に応じて他のコアツール(FMEA、SPC、MSA、PPAP)を用いた
インプット、アウトプットも必要となります。

5つのコアツールについては ⇒ AIAG

■APQPの5ステップ

APQPは顧客の要求を満たす製品の開発や製造するための、
製品品質計画を作成することを目的にしています。

ねずみちゃん
ねずみちゃん

各ステップのアウトプットが、次ステップのインプットになります。

第1ステップ:品質プログラムの計画と定義

顧客の要求やニーズ及び製品への期待を明確にする必要があります。

※ここでいう「顧客」とは、自動車メーカーのことです。

アウトプットとしては、品質目標、信頼性、暫定の材料表や工程フロー図となります。

第2ステップ:製品設計と開発

製品設計を行います。

「図面」、「設計FMEA(故障モード影響解析)」、「試作CP(コントロールプラン)」など作成し、設計情報を明確にします。

上記設計のアウトプットに加えて、APQPのアウトプットとしては、

実現可能性の評価検討も必要になります。

また製造プロセスへのインプット情報が必要になるので、

新規の装置や試験機、治工具類に関する要求事項や、特殊特性も決定します。

第3ステップ:プロセス(工程)設計と開発

生産するための製造プロセスを計画していきます。

プロセスが分かりにくい方は、プロセス⇒工程と置き換えて考えても良いかもしれませんね。

「プロセス(工程)FMEA:故障モード影響解析」、「MSA(測定システム解析)計画書」、SPC(統計的工程管理)に基づく「工程能力調査計画書」、「量産試作CP」などがアウトプットになります。

工程の流れを決めた工程フロー図(プロセスフロー図)、実際の製品が流れるレイアウト(フロアプランレイアウト)を決めて、リスクの特定やリスク管理のためのFMEA(P-FMEAや工程FMEAと呼ばれます)と影響分析を行います。

第4ステップ:設計と開発(製品・工程)の妥当性の確認

妥当性の確認とはつまり、製造工程に問題がないか、製品は仕様を満足しているか評価や検証を行います。

「MSAの結果」、「工程能力調査の結果」、「量産CP」、「PPAP(顧客に製品を承認してもらうための手続き)」

実際に生産を行い確認していきます。

第5ステップ:量産・評価・是正・継続的な改善

このステップから本格的な生産がはじまり、品質保証部門に責任が移ります。

SPCなど品質管理のツールを活用しながら、「バラツキの改善」、問題点を見つけて是正処置を行う「問題点の管理」などがあります。

製品特性や製造工程で管理する項目、値、管理から外れてしまった場合の処置などについて一覧にまとめてあるのがCP(コントロールプラン)となります。

ここでのアウトプットが品質の本質となります。

・ばらつきの低減
・顧客満足度の向上
・サービスの改善
・品質情報の展開(過去のトラブル)

解析手法のご紹介 参考文献:AIAG発行リファレンスマニュアル

・部品組立変動解析
・ベンチマーキング
・特性要因図
・特性マトリクス
・クリティカルパス法
・実験計画法(DOE)
・ミス防止法/エラー防止法
・プロセスフロー図
・品質機能展開(QFD)

■おまけ〜APQPをもっと簡単に解説

ひんまに
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ここからは誤解を恐れず、誰でも分かるように解説。

APQPとは、製品を作っていく段階で、それぞれの担当者が品質を考えなさい、計画を作りなさい、そのためにやることが書かれているものです。

営業マンや企画や開発に関わる人は、お客さんの声を聞いて、市場の調査をして、消費者が満足する物を考える、見つける。つまり売り物を決めるということ。

そしてその売り物を、設計者やデザイナーが形にする。その人たちは、製品の仕様や作り方も決めます。作ることが目的ではないので、売れるかどうか利益が出るかどうかも考えないといけませんね。

機械で作るなら生産技術と呼ばれる人たちの出番です。生産工程を作っていくのに製造技術と呼ばれる人たちもいますね。

製品が決まり、作り方が分かれば次は製造です。
図面があり設計書があり、コントロールプランを使って、決められた作業通りに実行していきます。”できばえの品質”と言われたりします。(対して設計は”狙いの品質”)

完成品に対して品質担当は様々な活動を行います。

品質管理の手法、勉強方法はこちらの記事です。
QC検定対策の勉強術~過去問1冊で合格する方法~ 
https://hinshitsu-mania.com/qc-test-pass/

ここまでいかがだったでしょうか。

難しいことを言っているようですが、こうやってまとめてみると
理解できる内容ではないでしょうか。

 

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