
今回は『設計FMEA』です。
■FMEAを簡単に解説
・FMEAとは
Failure Mode and Effect Analysis: 故障モード影響解析
故障や失敗、不具合の未然防止を目的とした分析方法です。
設計FMEAと工程FMEAがあります。
・故障と失敗
Failureは、日本語訳で「故障」としていますが、原語には「失敗」を含みます。
例えば以下の場合、故障とは言えませんが、「Failure」と考えます。
・安全性の確保が出来ていない
・法規制に適合していない
・不適合品を製造する
Failureの範疇であることに注意してください。
■品質まにあの視点
品質管理の基本的な考え方としてPDCAサイクルがある。
目標に対して活動を行い、良かった悪かったをチェックして、改善に繋げていくこと。
その活動の記録としてFMEAが最新版へと更新される。
故障や不具合、失敗(ミス)を未然に防ぐツールとして活用されます。
要は、どんなリスクが潜んでいるのか考えるための方法というわけです。
一般的にFMEAの目的は、
・潜在的なリスクを評価する
・それらの故障の原因と影響を分析する
・予防と検出の処置、リスク軽減の処置を行う
APQPチェックリストについて
⇒【APQPチェックリスト】IATF16949はもう怖くない!
■APQPチェックリスト~A01 設計FMEA
・社内ルールに基づいて設計FMEA(DRBFM)を作成したか?
管理規則や品質マニュアル、フォーマット等、または顧客要求や顧客指定の様式に従い対応しているか?
設計FMEAはDFMEAやDRBFMに置き換える場合があります。
※Design-FMEAに対して、工程FMEAは Process-FMEAとなります。
・関連する品質不具合情報をレビューしたか?
チームで行っているかがポイントで、品質保証部門が情報提供を行います。
・過去の類似した設計FMEAを有効に利用したか?
APQPの原文には「ベストプラクティス」とありますが、一番良いものということです。
改善を繰り返しながら開発を進めるので、最新のものがベスト、つまり一番良いもののはずですよね。
・設計FMEAで特殊特性を特定したか?
顧客要求に特殊特性の要求があるか。自分たちで特殊特性を設定しているか。
・仕入先で確定され、自社で確認しない特性について、仕入先での管理についてレビューしたか?
“パススルー特性”とは、サプライヤに任せているものです。
例えば洗浄など、納入された製品では、洗浄されたかされていないか判断が出来ないものについてレビューを行っているかどうか。
別途、図面や指示書の形で指定したり、品証が監査へいく時に確認する内容になります。
・指定した特殊特性について、関係する仕入先とともにレビューしたか?
チームの中には、必要に応じて顧客やサプライヤも入ります。
・心配点(故障モード)に抜けはないか?
・お客様への影響(重要度)を適切に評価したか?
・心配点を除くために適切な設計をしたか?
・是正処置に抜けはないか?また評価の数値は変更したか?

設計FMEAが適切に実施されているか確認してみてくださいね。
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