
APQPの要求事項に対して、抜け漏れなく対応できているか、
チェックリスト形式で確認してみましょう。
課題を見つけ全員で改善活動を行えば、IATF16949は怖くありません。
APQPはIATF16949のコアツールです。
IATF16949は米自動車会社Big3共通の品質要求事項で、
欧米の自動車会社を中心に、今では世界中のメーカーで採用されています。

未然防止
このIATF16949は、不良品や不適合品など検査で見つける(検出)するよりも、不良品や不適合品を作らないこと、製造すること自体を未然に防ぐ、予防を重視しています。
自動車の部品は一台当たり2万点〜3万点と言われています。
そのうちの一つでも不良品が含まれていれば、大きな事故や人命に関わる事故になりかねないですよね。
不良品を作るということは、材料もムダ、作るのにかかった工数もムダになります。
その為にAPQPは、製品の企画、設計開発、量産が始まるまでの、品質計画についての要求がたくさん書かれています。不良を予防するためには設計開発が重要という考え方になります。
【APQP】IATF16949コアツールをチェックリスト付で解説 | 品質まにあ (hinshitsu-mania.com)
■チェックリストの目的

抜け・漏れなく確認できることが最大のメリットで、
抜け漏れなく確認したいときに活用します。
生きた文書として、抜けがあれば修正してより精度の高いものに仕上げていきます。
つまり組織にとって、過去の事例や失敗を含めたノウハウがつまっています。
APQPのプロセスが正しく実施されているか検証することがっ目的で、
チェックすることが目的ではないし、チェックリストを作成することは目的ではありません。
■チェックリストの効果
★確実な対応が出来る
☆確認項目の抜け漏れ防止
やることが決まっているので、うっかりミスや、記憶に頼る必要がありません。
☆課題や弱点が把握できる
苦手なこと、後回しにしてしまいがちなことも見えるようになります。
☆担当者を割り振ることが出来る
やることのボリュームや工数が分かりますし、責任を与えることも出来ます。
☆対応状況、進捗の管理が出来る
どこまで進んでいるか、計画に遅れがないか把握できますし、メンバーでフォローすることも出来るようになります。
★気持ちが楽になる
☆達成感が得られる
チェック済みは成果です。
やることが細かく分かれているので、“出来た”“終わった”が沢山作れます。
☆やること/やらないことを決めやすい。
「やらない」と決めることも大事なことです。
☆団結力アップ
チェックリストを共有することで、チームで対応することが出来ます。
☆反省を次に活かせる
上手くいかないことがあれば改善します。
継続的改善はPDCAの本質ですが、繰り返し活用しながらより良い物へと仕上げていきます。
■APQPチェックリスト
★A01設計FMEAチェックリスト
ルール通りに出来ているか、フォーマットに従い対応できているかを確認します。
D-FMEAやDRBFMなどあります。
★A02設計情報チェックリスト
図面の内容について、新規品は何か、品質管理手法を使って検証出来ているか、特殊特性や材料が管理できているか確認します。
★A03新規の設備・治工具・試験装置チェックリスト
一般的に生産技術と呼ばれ、工程設計を担当している部門を対象にしています。
設備や装置の新規品の状況や判断基準を確認します。
★A04製品・工程の品質チェックリスト
製品や工程の品質システムを確認します。
★A05フロアプランチェックリスト
生産ラインのレイアウトについて確認します。
★A06工程フローチャートチェックリスト
工程フロー図などとも言いますが、工程の流れについて確認します。
★A07工程FMEAチェックリスト
設計FMEAと同様に、ルール通りに対応できているか、過去の失敗や類似製品のノウハウについても確認します。
★A08コントロールプランチェックリスト
コントロールプランは、QC工程図や工程品質管理図などと呼ばれていて、工程の管理方法やその対応について確認します。
★チェックリストのフォーマット
チェックリストの確認内容に対して、満足できていない項目はチェック欄に「 No 」とチェックします。Noの場合はコメントを記入し、何を?誰が?いつまでに?明確にします。
チェックリストのフォーマットには、下記の内容を含めます。
・様式No. :改訂履歴や実績が分かるようになります。
・管理No. :顧客や対象品の管理を行えるようにします。
・作成日 :チェックを行った日付。
・チームメンバー :チームリーダーや作成者が分かるようにします。
↓技術系の通信教育ならこちら JTEX
製造業のエンジニアが勉強する方法は限られています。
(あまり勉強するタイプが業界には少ないイメージです)
だからこそ『JTEX』のような教材はおススメです。
■APQPチェックリストのまとめ
APQPチェックリストを上手に利用するポイントは3つ。
★顧客によって記録のフォーマットが異なることがあります。
目的を明確にして、自分たちのベースをしっかり用意してください。
その上で顧客要求に従えば問題ありません。
★用語や定義は明確に決める。
コントロールプランとQC工程図は同じこと。
分かりやすく、覚えやすくすることで現場の負担も減らすことが出来ます。
★APQPはチームで行います。
専門家もメンバーに加え、自分たちにしか作れない、
より良いチェックリストを積み上げてください。
コメント