料理が上達するための品質 ~ 5つの観点

料理を楽しむ方法
私は品質で大切なことは、「ばらつきの管理」だと考えています。
このばらつきが、お客様の満足度に影響している、つまり品質と考えているわけです。
今回は身近にある『料理』をテーマに、品質を考えてみましょう。
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■ 言葉の定義

テーマがずれてしまってはいけないので、言葉の定義をしましょう。

● 料理

料理とは、食事を作る前の段階の企画から、出来上がりまでとします。
調理のように「作る」ということだけを言うのではなく、家庭料理でも飲食店でも同じで、食べる人に届けられるものを料理とします。
今回のお話は「食べる」よりも「作る」に主眼があるので、家庭料理に限定することにします。
学術上の正確な表現ではありませんが、料理には方法などの行為と食べ物という二面がある。
ここではそのように定義させて下さい。

● ばらつき

「ばらつき」はあまり馴染のない言葉かもしれません。
統計的な小難しいお話は抜きにしましょう。(平均値とか標準偏差とか範囲/レンジなど)
みなさんの考えに近いものを、イメージしていただいて大丈夫です。
均一でない、一様でない、揃っていない、不規則である、差がある、ばらばらである・・・など。

■ 料理におけるばらつきとは何か?

では料理におけるばらつきの要素とは、どのようなものがあるでしょうか。
5つの観点で見ていきます。

① レシピ

レシピは設計書のようなものです。ノウハウが詰まった大切なものです。
今ではインターネットで調べたら、とてもたくさんの方のレシピが公開されているので、便利な時代ですね。
レシピには使う食材や調味料、そしてその分量と使うタイミングが書かれています。
言葉だけでは難しいこともあるので、工程毎の写真を載せたものも多く見られます。
これは作業のばらつきを抑える効果があります。
レシピの内容を見ると「大さじ・小さじ」や「1カップ」、「少々・ひとつまみ」などと書かれています。

ここで注意しないといけないことは、「さじ」や「カップ」は重さではなく、容積を言っているので、「g」ではなく「cc」や「ml」。間違ったら大変なことになることもあるでしょう。
塩については指の本数で決まっていて、少々が指2本(親指・人差し指)、ひとつまみは指3本(親指・人差し指・中指)となっているので、ある意味塩加減は作る人次第になってしまいます。

また、ガスコンロでいう火加減の「弱火・中火・強火」はそれぞれ、鍋底に火が当たらないくらい、鍋底に火の先端が当たるくらい、鍋底から火がはみ出ないくらい、と表現されますので、鍋やコンロの性能や機能の影響を受けると考えられます。

② 人

料理は人が作ります。“美味しさ”に大きく影響します。

作る側のスキルや知識によって、作るものや出来上がるものが変わります。
スキルであれば包丁さばきや鍋の振り方、火加減などがあり、知識でいえば食材の活かし方や栄養、料理のレパートリーなどがあります。
本やインターネットのレシピを使う場合は、レシピを探すことや選択することも作る人のスキルです。

また、作る時の体調やメンタルも影響するかもしれません。

③ 調理器具

調理器具には、どのようなばらつき要素があるでしょうか。
器具なので機能・性能が影響しますよね。“簡単に”作れることや、便利ということで大活躍します。

食材に直接触れる包丁や鍋などがあります。調味料などの分量を測るものもあります。
また簡単に使えて安定した性能を発揮する、スライサーやミキサーなど便利なものもあります。

先ほどの火加減で言えば、IH調理器によっては、デジタル表示やスイッチ式で、ばらつきを抑えていると言えそうですね。(筆者は残念ながらIH未経験)
そしてこれら調理器具には・・・かなり高額なものもありますが、
今回は家庭料理ということなので、毎日使うものが変わらなければ、料理に影響すると考えなくてもいいかもしれません。

④ 食材

料理の値段は使う食材に大きく影響されますよね。

“安く”出来るかどうか大事なことです。
食材には旬があり、旬のものは美味しくて安いことが多いです。
天候に影響されることもあって必ず安いわけではないですが、個人的には是非、旬のものをいただいてほしいと思います。
そして食材には、食材毎、またその個体毎に鮮度があります。
また、これは皆さん誰もが経験しているでしょう。好き嫌いがあります。好き嫌いがあることで、特定の食材を使うか使わないか悩んだり、嫌いなものを食べられるよう工夫しますよね。使いやすい食材、使いにくい食材もあり、その組み合わせを考えると無限です。

⑤ 評価

品評会のような堅苦しいものではなく、感想で充分です。
食べた人の意見です。

食べた人が満足するかどうか、美味しいと言ってくれるかどうか、ドキドキする瞬間ですよね。
食べる人にもばらつきはあります。
気分や気持ちで、食べたいもの、欲しいものも変わります。体調で味覚や空腹感も違います。
目や鼻で美味しいと感じることがあるくらいですから、食器や盛り付け、香りも大切です。

■ 料理の上達のためにやることは?

ここまでお読みいただいて、ご理解いただけたでしょうか。
料理はいろいろな要素から成り立っています。
美味しい料理とは、自分を含めた食べる人が、満足すること。場合によっては満腹になることです。
そのために必要なものは何か、足りないことは何かを知ること。だから何をやってどこを伸ばすのか。
それが分かれば、あとはやるだけです。

決して間違ってはいけない事なので強調しますが、料理することが目的ではないのです。
作る人が自分の経験を活かして、自分を含めて食べる人が喜ぶこと。”美味しい”と思ったり、言ってもらえることが、料理の醍醐味だと思います。

ここまで言葉で説明してきましたが、分かりやすくするために図にしてみました。
記事の一番下にあります。一例ですが、参考にしてください。
図にすると、自分の得意なところ、強みがわかるかと思います。

改善したいところ、苦手なところが見つかりますね。

上達の鍵はこの図の中にあるはずです。

■まとめ

品質は「ばらつき」だと言いました。

ばらつきはたくさんの要素がありますが、美味しく、安く、簡単に、料理をするために必要なことは、目に見えるように出来る。それを感じていただけたでしょうか。

料理において、「ばらつきをなくす」ことが、必ずしも良いことだとは言いません。
ばらつきがあるからこそ、家庭料理は飽きずに食べ続けられる。そのような点も、家庭料理の良いところですよね。

今回は料理に応用してみましたが、点数アップのための試験勉強や、スポーツで試合に勝つための練習にも活かせます。目標を定め、そのためにやることが決まり、行動にうつすことが出来れば、結果は自ずとついてくる。

上達という成果につなげていく為にも、問題を見つけ、その問題を課題に変えてみてはいかがでしょうか。

もし考え方や図の扱い方や目標、全体像の捉え方にご興味がある方がおられましたら、遠慮なくご相談ください。

ご連絡お待ちしております。

 

 

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