品質問題を防ぎたい~全員参加の品質活動

生活品質
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品質まにあ(@hinshitsumania)です。

何の罪もない子供たちが、命を失うとても悲しい事故がありました。
同じような事故を防ぎたい。

事故は、誰にでも遭遇する可能性があります。品質問題は、誰にでも関わることです。

つまり、自分事。

誰にでも出来ます。全員が参加することができる、そんな品質活動があります。
全員に参加してほしい。全員で未然防止したい。その思いでこの記事を更新いたします。

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■品質問題とは何か?~過去の事例に学ぶ

品質問題というと、何が頭に浮かぶでしょうか。

最近起きたことをいくつか例に挙げてみます。思い出される方も多いのではないでしょうか。

自動車メーカーの無資格検査員による検査、燃費データの改ざんなどもありました。データの改ざんで言えば、日本経団連会長の企業でも、見つかりましたね。その他にもデータのねつ造や、一部の検査が行われていないことや、消費期限切れ材料の使用、農薬の混入など数えきれません。

それに品質問題で、人が亡くなる事故も発生しています。

2009年、米カリフォルニア州で起きた日本車による事故です。4名の方がその事故でなくなりました。足元のマットがずれることで、アクセルを踏んだ状態から、戻らなくなる恐れがあるということで、実に400万台を超えるリコールが発生。

これらの事例は、大きな問題として取り上げられます。騒ぎになります。

けれど、いつしか忘れられていきます。

品質問題が二度と発生しない対策ができて、未然防止が完璧で、全員参加の品質活動が当たり前になっていれば、忘れて良いことなのだと思います。

ではこれらの事例から言える、品質問題とはいったい何でしょうか?

・法律や規則などのルールに対して違反がある。

・機能や性能など、期待される情報に偽りがある。また不正がある。

・そしてそれによって命の危険がある。

と言えるのではないでしょうか。

細かいことを挙げれば、キリがありません。

品質問題に取り組む際に大切なことは、大きな問題から、重要な問題から、優先順位を決めて取り掛かります。そうすることで、自ずと細かい問題が無くなる。という考え方に基づいています。

そして何よりこの記事でお伝えしたいことは、品質問題を未然防止することです。

事故を起こしてはいけない。

品質のプロは、問題を未然に防ぐことが使命です。言葉の通り、命を使うわけです。
未然に防ぐことこそが、品質なのです。
お客様が買ったものが、文句なく、クレームなく、満足して使い続けられることが、品質なのです。

その為にやることは?

「起きるかもしれない」コトを見つけて、未然防止策を打つことです。

未然防止策の一つには、過去に起きた問題を活かすことです。
二度と起こさない。再発させないという考え方です。
再発防止というのは、未然防止の一つの方法です。

つまり、品質問題とは何か?

未然防止するための材料となり得るのです。

発生してしまったことから、より多くの情報を引き出すこと、そしてそれを活かすことが、大事なことになります。

■記者会見に望むこと

それでは多くの方が品質問題を知る機会はどこにあるのでしょうか?

テレビのニュースや新聞、雑誌、インターネットなど、さまざまなメディアが選べる時代です。

その中でも、テレビなどでよく見かける、品質問題による記者会見。

記者会見は、文字では伝わりにくいことや、誤解が生じる場合などに、用いられる方法と言えますね。

記者会見(きしゃかいけん、英語:press conference、news conference)とは、一つの場所で人や団体が複数の記者に対して発表や説明を行い、質問の受け答え(インタビュー)をする会合である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%98%E8%80%85%E4%BC%9A%E8%A6%8B

出典元:wikipedia

品質問題が起きたあとの記者会見では、責任者などの関係する方々が、「再発防止に努めます」、と深々頭を下げる姿を見ることがありますね。
そういった大々的な記者会見をするくらいですから、日本を支える大企業で、社会に貢献していることは間違いないわけです。影響力も大きいです。

その記者会見に注目している視聴者が、一番気にしていることはなんでしょうか?

それは、自分たちに影響がないのかどうかです。
自分たちが使っているものに関係するのではないだろうか。
使い続けて大丈夫なのか。

食べてしまったもの、これから食べようとしていたものではないだろうか。
食べてしまったけど、健康に問題ないのか。
などなど。

まずは出回ってしまったものについて、しっかり納得いくように説明してほしいものです。
それも、誰もが分かり、納得できるようにすることです。

記者の方々には、見ている人が必要な情報を、発信してほしいのです。
そして、見ている人が何をやったら良いのかを、教えてほしいのです。
見ている人は、自分の身近なところを見まわしてほしいのです。
全く同じことはないかもしれない。けれども似ていることは、あるかもしれません。

責任は誰にあるか?どこにあるか?とても大事なことです。

けれどそれよりも、
なぜ起きたのか?起きるのか?真の原因は何か?未然防止するために必要なことは何か?
企業や行政など責任者が言う「再発防止」はそのあとです。

私が記者会見に望むこと。

より多くの人が、自分事に出来る内容であることです。

全員参加であることが、品質問題を未然に防ぐことになり、事故をなくすことにつながっていると信じています。

■誰でも出来る品質活動

品質活動は誰でも出来ます。

「再発防止に努めます」と責任者の方々が謝罪していますが、何をやるのか伝わってきますか?
そして再発しないと感じられますか?
私には大丈夫と思えることの方が少ない、そう感じます。それは一体なぜでしょうか?

私たち見ている人が聞きたいのは、「再発防止」という言葉ではなく、何をやるのかということ。
何をやるのか伝わってこないから、納得できないのです。

問題が発覚してまずやることは「現状把握」です。
品質の分野では、現状(今どういう状態なのか)が分かってから、
要因(なぜ問題が起きるのか)を分析します。
それでやっと対策を考え、決めることができます。

つまりこの対策の部分が、やることなのです。

現状把握と要因分析が抜けてしまっていると、対策の的がズレていることになるわけです。
散歩中の事故だから、散歩をしません。プールの事故だから、プールを閉鎖しますとか。
犠牲になるのは子供たちです。

そして再発防止はやることではなく、やることをやった結果なのです。
間違えないようにしていただきたいものです。

「現状把握」⇒「要因解析」⇒「再発防止対策」、そして再発しないか、効果があったのか、「効果の確認」となるわけです。
対策が伝わってこない謝罪はもしかしたら、その後も改善されないかもしれませんね。

では、なぜ品質活動が誰でも出来ると言えるのでしょうか?

その根拠とは何でしょうか?

現状把握なんて難しい言葉を使っているから、何をやればよいのか分からなくなってしまう。
他人事として認識してしまいます。
だから一旦、自分事にする。これなら誰にでも出来ることと思います。

そこで、やってほしいこと。

今の自分はどうか?と自分を見つめてほしいのです。身近にいる大切な人は、大丈夫かなって意識してみてほしいのです。

例えば先ほどの品質問題の事例はこうでした。

・法律や規則などのルールに対して違反がある。

・機能や性能など、期待される情報に偽りがある。また不正がある。

・そしてそれによって命の危険がある。

だから自分事にしてみる。

自分はルール違反をしていないのか?ちょっとくらいなら大丈夫って考えてないか?車の運転には自信があるから、自分が失敗することはない、と考えてはいないか?誰かに迷惑かける行いをしていないか?危険なことはないか?

品質問題は、すべての人が嫌な思いをします。本当はすべての人が事故をなくしたい、と思っているはずです。

一人一人がちょっとでも良い方向になったら、大きな力になります。

どこか遠くで起きてしまった人身事故も、身近なところでは未然防止の効果を発揮します。

全員参加の品質活動を広げましょう。

■まとめ~全員参加の品質活動

品質問題はとても悲しいことです。

未然防止が出来ることは、あちこちにあるはずなのです。

品質問題が見つかると、自分を省みる意見や、誰かを責める意見など、いろいろな意見があると思います。

私はまず、自分を省みたい。

少しでも多くの方々を巻き込み、全員参加の出来る品質活動を目指しております。

対策にはコストがかかることが多いのは事実。
起こるかもしれないことを防ぐ為には、勇気ある決断が必要です。

だからこそ、経営者や行政の方々にお願いしたい。

品質を考える人を育ててください。

利益には品質を含めて数えてください。

品質問題には、未然防止するための情報が、たくさん詰まっているものだと考えております。

全員参加の品質活動を行い、品質問題をなくす、事故で失う命をなくしましょう。

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